今年5月、東京・中目黒にオープンした「無添蔵」が盛況だ。回転寿司チェーンくら寿司が関東に初出店させたプレミアム店だ。通常のくら寿司との違いはどこか。なぜ中目黒だったのか。外食ライターの大関まなみさんがリポートする――。
グルメデートの街・中目黒にできた「くら寿司」の新業態
中目黒の街にはどんなイメージがあるだろうか?
食の観点で見ると、中目黒の飲食店はかなりハイレベルだ。老舗から最新のトレンド店まで数多くの店が軒を連ねる。特にデート向けの店も多く、街のそこらじゅうにカップルが歩いている。
裏路地には雰囲気のいい隠れ家的レストランが多く、しっぽりと口説きにいける。もしくは、あえてガヤガヤ系の居酒屋で気取らないデートで仲を深めるもいい。中目黒では日々、多くの男女が美食を通じて愛を育んでいる。
グルメデートのご意見番雑誌『東京カレンダー』でも、中目黒はたびたび特集が組まれる。同誌いわく、中目黒は「港区的ギラギラ感はない、あくまで地に足付いた感じ」と評している。
「中目黒=グルメデートの街」と言っても過言ではないだろう。
そんな中目黒に今年の5月、くら寿司の高級版“プレミアム回転寿司”を謳う「無添蔵」がオープンした。なんでもこの業態、これまでは関西でのみ展開していたが、今回が記念すべき関東で初出店なのだそう。
満を持しての関東1号店が中目黒なのは、どういう意図があるのだろうか? 筆者は足を運んでみた。


