※本稿は、大友通明『栄養整形外科医の一生折れない骨をつくる「強骨みそ汁」』(青春出版社)一部を再編集したものです。
日本人の8人に1人が骨粗鬆症
1590万人――この数字は一体なんだと思いますか? 実は、骨粗鬆症の患者数です(*1)。日本人の8人に1人ということになります。もちろん、検査を受けてそれと診断された人の数字ですから、潜在的にはもっと多いと推測されます。
骨粗鬆症は骨量が減ることにより、骨折しやすくなる病気です。骨量とは骨に含まれるカルシウムなどのミネラル量のことで、骨密度は単位面積当たりの量を示します。「骨密度が高い=骨量が多く、骨が強い」ということになります。
骨粗鬆症の怖いところは、一度骨折したら、二度三度と連鎖的に起こる可能性があることです。そもそも骨が弱くなっている状態なので、何かの拍子に別の場所が骨折してしまうことも少なくありません。
整形外科で「食事の内容」を尋ねている
私は整形外科医ですが、クリニックでの“診察風景”は通常とは大きく違っています。例えば腰痛の場合、一般の整形外科では、患者さんのレントゲンを撮り、その説明を行い、薬を処方したり、必要であれば牽引や電気治療などの物理療法や理学療法をすすめたりします。私も同様の診察をしますが、続けてこんな質問をします。
「ところで、今朝は何を食べましたか? いつもどんな食事をしていますか?」
患者さんの食事内容を尋ねるのです。整形外科ではまずしない質問です。患者さんは「腰が痛いから診てもらいに来たのに、どうして食事のことを聞くのだろう」と怪訝な表情を浮かべながらも、食事内容を説明してくれます。
高齢者に多いのは、朝はパン食、昼は麺類、夜は魚を主菜とした野菜たっぷりの献立、といったものです。間食に甘いものを食べるという患者さんも少なくありません。肉を食べることもあるようですが、ほとんどが豚肉か鶏肉です。ひと通り食事内容を聞いたあとで、私はまた患者さんが驚くような話をします。
「腰痛の根本原因は、その食生活にあるんですよ。血液検査をして、栄養状態をチェックしてみませんか?」
整形外科で血液検査をするなどとは思ってもいなかった患者さんは唖然としています。しかし、私はしっかり血液検査の必要性を説明します。私が行う血液検査は、栄養状態を正確に知るためのものです。病院で一般的に行われる血液検査よりももっとたくさんの項目をチェックします。

