保育園で暴れる息子の発達障害を疑うママ

前稿では、教育現場で普通の子どもが発達障害と疑われ、そう診断されてしまう「発達障害ブーム」について、背景に「教員の余裕のなさ」があることを述べました。

今回は、親子間の緊張によって子供に「発達障害らしき行動」が出てしまい、母親が発達障害を疑ってしまった事例を紹介します。

レストランで、母親が食事を与えようとしているものの、幼児が食べるのを拒否している
写真=iStock.com/Orsan Elitok
※写真はイメージです

事例は事実を基にはしていますが、一部加工・修正しています。

「毎日、保育園から連絡が来て疲れる」という訴え

筆者のカウンセリングオフィスにある若い母親が来談しました。申し込み欄には「子どものことで」とだけ記入されています。彼女の名は加山瑠美さん(仮名・29歳)、5歳になる息子・健太くんがいます。

彼女は健太くんが発達障害なのではないかと疑っています。

あいさつを済ますと、加山さんは切羽詰まった口調で話し出しました。

「子どものことで。息子は5歳で保育園の年長です。毎日毎日、園から息子が『お友達のおもちゃを取り上げた』『喧嘩した』とかの連絡が来て、ほとほと困ってしまって。園からは発達障害かもしれないと言われて、保健所の健診でも『ちょっと落ち着きはないかもしれない』と指摘されました。だけど、そこの保健師さんに『お母さんが落ち着けば息子さんも落ち着くかもしれない』と言われ、ここを紹介されました」