同社では、LINEというコミュニケーション・プラットホームの上にもう1つのプラットホームを立ち上げている。これはファミリーアプリと呼ばれるもので、ゲームや占い、さらには漫画などのコンテンツを包含するものだ。このうちゲームは、すでに20のラインナップをそろえ、月に4、5本ずつ新しいタイトルを加えているという。このうちLINEキャラクターが登場するパズルゲームのLINEPOPは、公開58日目で実に2000万ダウンロードを記録し、世界11地域のApp Storeの無料ソフト総合ランキングで1位を獲得した。
誇張ではなく、LINEには驚くべき潜在性が秘められている。それを実感させてくれるのが、O2Oのゲートウェイ機能だ。インターネットの普及により、オンライン・ツー・オフライン、つまりオンライン情報を活用してオフライン(リアル小売店舗)での購買を促すというビジネスモデルを誰もが夢想した。ところが実際には、この分野で成功した企業はほとんど存在しない。新規にO2Oシステムをつくっても、それだけを利用したいという人はほとんど存在しないからだ。
ところがLINEには日本だけでも4500万人以上のユーザーがいて、毎日その半数以上の人々が利用している。するとそれがオフラインへつながる巨大なゲートウェイになる可能性があるのだ。事実、すでに成果も上がっている。LINEの公式アカウントを有するローソンでは、「友だち」となっているユーザーにクーポンを発行すると、実に数十万人もの人がそれを持ってリアルの小売店舗におもむくという。そして来店者はそこで関連購買をしてくれるのだ。またマツモトキヨシでも同様に10%オフのクーポンを発行すると、非常に高い販売成果があるそうだ。同社の決算発表の席では、社長が「LINEで売り上げが上がった」と表明したという。
両企業が参加しているのは、ナショナルクライアント向けにつくった公式アカウントなので、すでに数百万人のユーザーが登録している。このうち少なくとも数十万人の人がリアルの小売店舗へ出向く可能性があるというのだ。