「長く続けていたこと」を聞く

父親の熊谷誠氏が考える接待での話題とは質問だ。達人とはしゃべる人ではなく、その場にいる人から上手に話を引き出すことにあるという。自ら話題を提供するのではなく、相手にしゃべらせるよう刺激を与えることとしている。

「ある時、接待相手の若い人がガチガチに緊張していたんです。その人は体格がよかった。『あなた、何かスポーツをしていたの?』『はい、柔道です』『そう。初段とか?』『いえ、学生の時、ある大会で優勝しました』

そうしているうちに、相手はしゃべり始めます。別に優勝していなくともいいんです。柔道選手として優勝していなくとも、長く続けていたところを褒めながら聞いていく。ただ、質問するだけでなく、話を引き出していこうとするのです。