情報を深く知りたいときは、「NAVERまとめ」(http://matome.naver.jp/)をよく使います。あるテーマについて書かれた情報が、ユーザーの手によって集められているサイトです。たとえば、「ホワイトデー」というテーマであれば、「お返しに喜ばれるスイーツ」「ギフト包装のお手本画像」などといった情報が親切な人たちによって集められ、整理されて表示されています。
ただし、ネット上の流行=全国的な流行ではありません。ネットニュースの世界では、「学歴コンプレックス」「韓国」「モテ・非モテ」「婚活する女」などのキーワードが入った記事は、必ずページビューがあがるという法則があります。しかし、仮にテレビでその話題を扱ったとしても、それほど視聴率はとれないでしょう。
ネット上には新しい発見は滅多にありません。ネットニュース編集者の私が断言します。自分が興味を持っていることについてどんな報道がなされているか、ほかの人はどう考えているかを深く知るツールである――。今、ネットを効率的に仕事に生かしている人は、きっとこのことを心得ている人です。
「ネット力」チェックテスト
あなたは新規取引先を開拓中の弁護士です。図のウェブサイトのどの記事に注目し、どこへアプローチしますか。
【ヒント】主要記事は無視、ニッチな話題に注目!
Yahoo!ニュースを読むときは、政治、経済、社会の主要記事ではなく、ニッチな話題に着目しよう。たとえば、「伊勢エビパンフに誇大表示」という記事。クリックすると、宮崎県延岡市が特産品として宣伝する冷凍伊勢エビのパンフレットに書かれた表現に誇大表示(健康増進法違反)の恐れがあったことがわかる。この記事を読み、「わが社は大丈夫か?」と怯えている人間が多数いることが予想できる。
解答例:「伊勢エビパンフに誇大表示」に注目。企業の宣伝部に電話をかけ、「ネット時代、一旦悪評をつくってしまうと長年かけて築いた信用が失われます!」「御社の広告を審査します」「誇大広告に関するセミナーを実施します」と売り込みをかける。
1973年生まれ。一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。2001年に退社後、ライターなどを経て06年より現職。現在、複数のニュースサイト編集長を兼務。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ウェブで儲ける人と損する人の法則』など。