「使ったあと元の場所に戻さないからこうなるんですね……」
体を小さくして反省する内山さん。整理する余地は大きそうだ。タイマーを回しながら作業を進めていくと、「捨てるもの」以上に「共有スペースに戻すもの」と「自宅に持ち帰るもの」が多いことがわかり、最終的には引き出しの中身が半分近くにまで減った。これで15分弱。1日の作業は終了だ。ちなみに、今後のために整頓のポイントも聞いておきたい。
「使う頻度の高いものは手前で低いものは奥へ。そして、上から見て隠れるものがないように、立てて置くこと。置き場所を決めると、探す時間が少なくなります」
小松さんの話は常に明瞭である。内山さんには1週間で整理を終えるという宿題が渡された。あの片づけ下手が本当に変身できるのだろうか……。
1週間後、再び内山さんの職場を訪ねた。すると、目立つほど散らかっていたデスクがすっきりしている。明らかに物量が減っているのだ。
「とりあえず『要るもの』だけを選り分けて、残りは捨てるか人にあげるか戻すかを判断すればいいんですね。タイマーを使ったのがよかった。私は片づけ中に気が散りがちなので」