どうすれば住まいをすっきりと片付けられるのか。「断捨離」の提唱者のやましたひでこさんは「多くの人が必要だと思っているけど、実は捨てられるモノはたくさんある。今回は、私の基準で10種類の不用品をお伝えしたい」という――。

※本稿は、やましたひでこ『1日5分からの断捨離 モノが減ると時間が増える』(大和書房)の一部を再編集したものです。

歩行クローゼットと保管室
写真=iStock.com/Edwin Tan
※写真はイメージです

一番重症な人は「ヘドロ沼」に浸かっている人

あなたの住まいの状態はどうなっていますか。

「断捨離できない」という悩みを持つお宅の状態は、3つのレベルに分けることができます。

「ヘドロ沼」に浸かって身動きがとれない人
「どぶ池」に浸かっている人
「ため池」に浸かっている人

一番重症な人は「ヘドロ沼」に浸かっている人です。

「モノであふれている」「散らかっている」というレベルではありません。ヘドロのようにモノがじっとそこにあり、その上にまたモノが重なり、動かしようのない状態のこと。あきらめの度合いが一番高いといえるかもしれません。

「どうして断捨離できないんだろう」と自分を責める

住まいがヘドロ沼になっていると、人生もヘドロに沈んだまま、もがく力さえ失ってしまっている場合があります。断捨離すると、少しもがきだす。そのもがきの最中が一番苦しいのです。

本人はヘドロに浸かっているという意識がないため、「どうして私は断捨離できないんだろう」と自分を責めます。この段階の人は、もはや「病」と見なければいけない重篤じゅうとくなレベルにあるといえます。

次の段階は「どぶ池」のような住まいです。モノであふれ、散らかり、動きに不自由を感じる状態です。そこに住みながら、生きづらさと自己否定にどっぷりはまっている人もいます。

住まいが「ため池」になると、だいぶモノは減ってきます。レベルとしては比較的軽症ですが、クリアな視界が得られないまま、漠とした不全感を抱えています。スッキリとした開放感とはほど遠い状態です。

この3つの空間の状態は、これにとどまっている期間、時間も無視できません。

「ヘドロ沼」であっても、その期間が短い人は足首まで浸かっているくらいだといえます。一方、「ため池」であっても、そこに何十年と浸かっている住人はやはり弱っています。

このように一人ひとりレベルも状態もちがうのです。それを本人が正しく認識することは容易ではありません。