韓国から撤兵したいアメリカの本音
実は、韓国から撤兵したいというのがアメリカの本音だ。北朝鮮は1000発の短距離ミサイルを韓国に向けて並べているが、これが飛んできたら政治的にはもたないくらい在韓米軍の被害は甚大なものになる。一方、金体制を崩壊させたら韓国から軍を北進させ、北朝鮮と中国の国境に進めることになるだろう。そうすれば、中国は猛反発して、米中の関係は緊張する――。というのが私の朝鮮半島情勢の見立てだ。
北の脅威が取り除かれるのは日本にとっても望ましいことだが、今後の朝鮮半島情勢において日本が出る幕はほとんどないと言っていい。そもそも日本が6カ国協議に参加している理由は2つしかない。1つは在日韓国人、在日朝鮮人の問題が存在するからであり、もう1つは北朝鮮による日本人拉致問題である。
民団と朝鮮総連の対立は南北の代理戦争のようなもので、北朝鮮が崩壊してグレーターコリアが誕生すれば自然と片が付く。拉致問題も北朝鮮が崩壊すれば真実が解明されるだろう。
北朝鮮の核問題を話し合う6カ国協議の場で、拉致問題にこだわり続ける日本は邪魔者でしかない。それでも協議の場に呼ばれるのは、解放された暁には北朝鮮開発の“金づる”となることが期待されているからだ。朝鮮半島における日本の役回りは、それ以上でもそれ以下でもない。