コストパフォーマンスを考えているか

コストパフォーマンスとは、「投資したお金と時間に対して、どれくらいの成果を生むことができたか」という費用対効果です。仕事であれ勉強であれ日常のあらゆる行動は数値化され、分析されることでコストパフォーマンスの向上が図られていきます。

ところが「稼げない人」には、自分の行動を数値化して分析するという習慣がありません。たとえば、アフター5は英語を勉強すると決めていたのに、思うように進んでいないとします。自分の行動を数値化して分析する習慣がない人は、毎日をただなんとなく過ごしてしまうので、「稼ぐ人」との差はますます広がっていきます。

コストパフォーマンスを改善するためには、現実を直視することから始めなくてはなりません。そこで私が勧めるのは、自分の日常生活を細大もらさず書き出してみることです。家計簿とともに、1日の時間を何にどれだけ使ったのかを記す「時間簿」もつけてみるとよいでしょう。次に、その記録をもとに時間とお金の使い方を客観的に分析します。

もしかすると英語の勉強が進まないのは、会社帰りに無駄な飲み会が多く、勉強に十分な時間を割いていないからかもしれません。あるいは、ハギレ時間を工夫すれば、まとまった時間を捻出できることがわかるかもしれません。数値を通して現実を分析することで、改善の糸口が見えてきます。

普段の時間やお金の使い方が分析できたら、今度は、それらをどのように使えばコストパフォーマンスが上がるかを考えます。その際に意識したいのが、「予算思考」ではなく「投資思考」で考えることです。予算思考とは、財布の中身を気にしながらお金を使うこと、つまり節約して貯めることに重点を置く考え方です。小金は貯まるかもしれませんが、大きなリターンを得ることはありません。

一方の「投資思考」は、「稼ぐ人」に多く見られる思考パターンで、貯めるよりも「何に使うか」を常に考えます。プロフェッショナルな知識や技を身につけるためには身銭を切ったり、人との縁をつなぐためには会食費も惜しみません。

生きたお金の使い方をすることで、より大きなチャンスにつなげることができる。「稼ぐ人」になるには、ときには思い切った投資も必要です。

(構成=前田はるみ)
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