一握りしかいない1億円プレーヤー。彼らの目線や行動は、どこがどう異なるのか。たとえば、「効率より効果を考える」がその1つ。「手段より目的」といいかえてもいい。とてつもなく稼ぐ人間の共通項を、「学びの習慣」を切り口に探ったところ、意外にもシンプルな「真理」が浮かび上がってきた。
目的意識をもっているか、価値観は明確か
いつ何時、会社に頼らない生き方を求められても焦らないようにと、語学や資格を身につけておこうと考えるビジネスパーソンは多いようです。従来から人気の英会話やMBAだけでなく、最近は経済成長が著しい中国が話題になることも多いことから、「これからは中国の時代だ」と中国語を習い始める人も増えているといいます。
しかし、語学や資格を身につけたからといって、必ずしもそれで稼げるわけではありません。中国語を勉強しても、ビジネスやプライベートで使わない限り、語学学校や教材への不要な支払いだけがかさむという結果にもなりかねません。風潮に流されて流行りの資格や学歴を欲しがるなど、目的のはっきりしない勉強は何の役にも立ちません。
一方で「稼ぐ人」は、勉強や資格は単なる手段であり、人生や仕事の目的に応じて選ぶものであることをわかっています。自分は何のために勉強するのか、どのような人生を生きたいのかという目的や価値観を明確にしたうえで、自分の強みを伸ばすための勉強に集中するのです。
人生における目的意識の高さは、「人生の残り時間」に対する認識の強さに比例すると私は思っています。
いうまでもなく私たちの人生は無限ではなく、いつかは終わりを迎える有限なものです。そのことを強く認識し、その有限な人生で何をなしたいのかを真剣に考える人だけが、「稼ぐ人」になることができます。
そこで私が部下やセミナーの参加者に勧めているのが、人生の残り時間を意識した「人生企画書シート」をつくることです。自分にはあとどれくらいの時間が残されているのかを確認し、「死ぬ日」から逆算して自分が何をすべきかを考えてみるのです。
たとえば、私は今年で44歳。80歳で死ぬとして、残り時間はあと36年、時間にして約31万5000時間です。こうやって時間単位で出してみると、もはや無駄に時間を費やせないという思いが強くなります。何事もむやみに手を出すのではなく、やるべきことの優先順位とデッドラインを決めて取り組まなくてはならないことにも気づきます。
時間は誰にでも与えられた平等な資源です。それをどのように活用して成果に結びつけるかは、限りある人生への自覚と、目的意識をもてるかどうかで決まるのです。