また、サラリーマンなら月々の収入ははっきりしている。それに保険料や住宅費、通信費などの固定費なども把握できる。そうしたら「収入-固定費-将来のための貯蓄額」という計算式から「やりくり費」を求めよう。そのやりくり費の範囲内で生活していけば、生涯安心して暮らすことができるようになる。

そんなやりくり費のなかには、食費、被服代、日用品費のほかに、お父さんのお小遣いも含まれる。ここを切り詰めすぎると日々の生活から潤いが失われ、やりくり算段も破綻をきたす恐れが大きくなるので要注意だ。では、どうするか?

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簡単に貯まる!「ライフプランシート」のつくり方

そこで、特にお父さんビジネスマンにおススメなのが、月曜日から日曜日まで1日のスケジュールを縦軸にとったバーティカル型の週間スケジュール帳を活用したやりくり費のマネジメントである。たとえば、毎月のやりくり費のなかから3万円をお小遣いに回せたとしたら、1日当たり1000円、1週間では7000円という予算の範囲内でやりくり算段していくことになる。

そして、このスケジュール帳活用術のいいところは、とにかくシンプルなこと。使ったお小遣いの金額を、使ったその日時の欄に書き込むだけでよい。自分の行動パターンは頭のなかに入っているもので、その時間を見れば何に使ったかをすぐに把握できる。たとえば出勤前、8時30分の120円の書き込みがあれば、すぐに缶コーヒー代とわかる。退社後の21時に2500円の出費があれば、帰りがけに同僚と一杯楽しんだものだ。

また、1週間7000円の予算をオーバーしそうになったら、「朝の缶コーヒーはやめて、会社のお茶で我慢しよう」と改善策を立てやすいのもいいところ。春の人事異動で歓送迎会の機会が増えそうだとわかったら、週1度の同僚との1杯を控え、その分を参加費に充てようと計画していくこともできる。

こうした未来志向に基づいたオリジナルの家計簿を私は「ライフプラン型家計簿」と呼んでいる。また、先ほどのやりくり費を求める計算式のことを「お金の貯まる方程式」と密かに命名して着実に実行している。

ファイナンシャルプランナー・家計の見直しセンター 藤川 太
山口県生まれ。慶應義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーに。「家計の見直し相談センター」では、2001年の設立以来1万3000世帯を超える家計の相談を受けてきた。
(構成=伊藤博之 撮影=小原孝博)
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