明確なコンセプトのもとで、提供する商品の照準を絞り込んでいく。絞り込みとは別のいい方をすれば、顧客に対してレコメンド(推奨)することです。店舗というプラットホームで、売り手としてレコメンドする商品やサービスを品揃えしていく。
惣菜メニューに照準を絞り込んだのも、スーパーに行かなくても、近くのコンビニで食事の用意ができるという生活の解決策をレコメンドするためです。だから、照準を明確に絞り込むほど、顧客にとって価値がとらえやすくなる。
モノが余り、消費が飽和した今の時代には、顧客が店に合わせて買い物をするのではなく、店のほうが顧客に合わせ、レコメンドする価値を絞り込んで提供する必要があるのです。
鈴木敏文(すずき・としふみ)
1932年生まれ。中央大学卒。62年イトーヨーカ堂入社、73年ヨークセブン(現セブン-イレブン・ジャパン)設立。92年より現職。