ベテラン管理職ほど部下へのフィードバックに躊躇する理由
同調査では管理職を新任管理職(1~3年目の課長クラス)とベテラン管理職(4年目以上の課長クラス)に分けて調査している。
ベテラン管理職に悩みを聞くと……。
「部下の育成」(56.0%)
「部下とのコミュニケーション」(36.2%)
「部下の評価・フィードバック」(23.3%)
部下とのコミュニケーションは新任管理職の25.5%に比べて10ポイント以上高くなっている。
また、部下の間違いを正しく伝えるフィードバックは不可欠であるが、部下へフィードバックする際、ためらったことがあると回答した管理職が53.2%にのぼっている。ベテラン管理職も53.2%いるが、ためらった理由について聞くと、「部下の反応に対して不安があるから」と回答した新任管理職は47.8%であるが、ベテラン管理職はそれを上回る55.9%もいた。また「適切な伝え方がわからなかった」が45.8%と、新任管理職の38.8%よりも多かった。
ベテラン管理職ほどフィードバックするのに躊躇しているのはなぜなのか。
同シニアマネジャーは「新任管理職は若手社員や中堅の部下が多いのに対して、ベテラン管理職の部下は、経験を長く積んでいる人、部長であれば課長が対象になり、その道のプロとして自負を持っている人が多いからではないか。相応のこだわりを持っている人に対し、指導する際にこれで正しいのかと、熟慮して伝える必要があり、フィードバックの難易度が上がる」と説明する。
もう1つは部長クラスなど上位の管理職になると、DXなどの新しい事業領域に取り組む必要があり、しかも何をすべきかを自ら判断し、実行することが求められる。
「自分にとって未知の領域に対してフィードバックする必要があり、本当にこれでいいのかと悩むケースが多いのではないか」(同シニアマネジャー)