大事なのは自分の成長を信じられるかどうか

希少価値のある働き方としては、資本所得も保有できる働き方が理想なので、自分で事業を起こすか、スタートアップに初期メンバーとして参画するのが最も筋が良い。

とはいえ、当然リスクとのバランスもあるので、大企業で出世を目指すなどの働き方でも構わない。

大切なのは、短期的なキャッシュフローを気にせず、5年後・10年後の希少価値を自分の思考と自分の責任で考えること。「利益確定ライン」「損切りライン」という投資の原則に基づいて、冷静にリスクを取っていけば、自己投資の成功確率は高い。

現に僕も有り金を全部はたいて、東大で博士号まで取得したし、そこで得た圧倒的な研究業績とネットワークと知名度をもって、「医療AI研究開発にすぐ使える医用画像データプラットフォーム」事業を手がけるカリスト株式会社を立ち上げた。

自分に確信がある限り、自己投資は怖くない。

自己投資にお金が使えない人は、自分が成長することを本気では信じていない人だ。

「年寄りは若い者に貯金をしろと言うが、それはまちがっている。最後の一銭まで貯めようなどと考えたらいけない。自分に投資しなさい。私は40歳になるまで、1ドルたりとも貯金したことなどなかった」
――ヘンリー・フォード(自動車王)

「利益確定ライン」の設定は必須

自己投資も投資なので、目的を明確にしないと痛い目に遭ってしまう。

通常の投資だと、誰もが以下のような「利益確定ライン」を設定していることだろう。

●安定資産:10年後の30歳の時点までに結婚資金(500万円)の調達を確実に目指す
●リスク資産:3年後までに、10%の確率で30倍のリターンを目指す

同様に自己投資においても、明確な「利益確定ライン」を設定した上で、戦略(投資の対象・方法・タイミング)を逆算し実行していくことが重要だ。適切な計画さえあれば、集中投資は怖くない。