「結婚できない」レッテルに怯える女性たち

「婚活」という言葉がよく使われていますが、婚活している女性たちは本当に結婚したいのでしょうか。彼女たちに、よく話を聞いてみると、別に「結婚生活」がしたいわけではないようなのです。

婚活している女性たちを見ていてかわいそうだなと思うのは、いわば大学受験や資格試験、就職活動のように結婚を捉えてしまっているという点です。

中野信子『なぜ、愛は毒に変わってしまうのか』(ポプラ社)

「○○すると結婚できないよ」と、彼女たちは子ども時代に脅されてきたのです。結婚できないということは、あたかも人間失格、女失格であることのようにすり込まれて育ってきてしまった。どうも、それを払拭するために結婚したいのではないか、と思えるふしがあるのです。

一緒にいると楽しい相手に出会って、そのあとの人生を心豊かに暮らしたい、そのために結婚したいというのではなく、自分に付けられたネガティブなレッテルを剥がしたいという意味で婚活しているのです。そういう意味では非常に切実で、見ていて痛々しい感じがします。

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