先輩患者「一難去ってまた五難だ」

Day13の未明、激しい胃痛に襲われました。「キリキリ痛む」というレベルではなく、「電動ドリルを突き立てられたかのようにギュリギュリ痛い」という激しい苦痛で、それまでに経験したことのない、びっくりするほどの痛みです。

ナースコールを押し、看護師さんを呼びました。看護師さんは医師たちに電話して指示を仰いでいます。

来てくれた先生によると、生着前の免疫反応で胃の粘膜が傷害されているためだろうとのことでした。胃薬、痛み止めの医療用麻薬、そしてステロイドを点滴してもらい、薬が効いてくると少しずつ楽になっていきました。

その夜、プリンを食べてみたら、食べたプリンが胃の粘膜を伝って下りていくのが分かりました。冷たい水を飲むと、通り道の粘膜が痛みます。やはり胃の粘膜が傷いたんでいるのだと実感しました。

写真=iStock.com/hungryworks
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リハビリに来てくれた理学療法士のSさんに、「下痢が落ち着いたと思ったら40度を超える高熱が続き、それが落ち着いたら激しい胃痛。毎日大変です」と、ポロッと弱音を吐いてしまいました。

するとSさんが、「『移植は一難去ってまた一難ではなくて、一難去ってまた五難だ』と言っていた患者さんがいました」と教えてくれました。まさにその通りだと思います。症状が日替わりどころか、数時間ごとに新たに出てくる感じでした。

顔や足、腕のかゆみ、手の震えが出てくる

Day15。皮膚の症状が強くなってきました。全身の皮疹とそれに伴うかゆみもあります。足がかゆく、腕がかゆく、手のひらは痛い。シャワーを浴びたらお湯が当たるだけで手のひらが痛いのです。治療に伴う手足症候群だそうで、ステロイドの塗り薬を出してもらいました。

こうした皮膚症状も日によって変わりました。まずは顔が真っ赤になって、その後足や腕に皮疹ができてかゆくなり、手のひらが真っ赤になって痛くなったり、足首から足の甲までが黒くなったり、胸や背中がかゆくなったりと状況が変わります。それぞれ症状に適したステロイドの軟膏で対応しました。

また、このころ、手の震えが出ていて気になっていました。こちらは恐らく前処置の抗がん剤の副作用とのことでした。