ブランドごとのカラーを大切に

ディズニーは、さまざまなブランドを傘下に置いていますが、そのブランドごとのカラーは重んじています。セクシャルで暴力的な内容を含むなら、傘下の別のブランドに作らせ、そのブランドの映画のポスターには「ディズニー」のロゴは一切載せないようにするのです。

マーベル・コミックのファンには、マーベルがディズニーに買収されたことによって「ディズニー化」してしまうことを嫌がる人もいるので、マーベルの作風に関してはノータッチを貫いているのです。そうすることによって、ディズニーのブランドイメージも、傘下のブランドイメージも、双方を守ることができます。

ストリーミングサービスに期待が高まる

ウォルト・ディズニー・カンパニーではディズニープラスというストリーミング・サービスを運営しています。加入人数は全世界で1億5000万人にもなりますが、現在は赤字で苦労しています。しかし、競合となるテレビの視聴率は格段に下がっているため、今後はストリーミング・サービスの需要が高まっていくことでしょう。

中澤一雄『ディズニーとマクドナルドに学んだ最強のマネジメント』(宝島社)

テレビシリーズと言えば、現在のディズニーを形作ったともいうべき最高経営責任者のボブ・アイガーは、実はもともとアメリカの三大ネットワークの一つ、ABCというアメリカの放送局のお天気おじさん(お天気お兄さん)でした。テレビの気象情報を紹介する仕事に携わっていたのです。

その後、ABCの中で出世して社長にまで上り詰め、その時に『ツイン・ピークス』などのテレビドラマをヒットさせたという経歴を持っています。そのボブ・アイガーがディズニーを率いているため、今後はディズニープラスを中心にストリーミング・サービスをますます充実させていくのではないかと期待しています。

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