投資の勉強法は「やりながら知識を蓄える」

【森永康平】澤さんも資産運用はされているのですか?

【澤円】以前は、もう自慢できるくらいなにもやっていませんでした……(苦笑)。僕はサラリーマンを長く続けてきたので、勝手に給料が入ってきてお金が出ていって、それでも生活できているということで投資のニーズを感じることがなかったのです。

でも、4年前に独立したことで、自分の収入は誰かが保証してくれるわけじゃないし、源泉徴収も勝手にされるものではないとなると、「無知のままではいられないぞ」と思い立ち、少しずつお金に関して勉強をするようになりました。そうしていまは、分散投資をやっています。

【森永康平】実際に投資をはじめたことで、投資に対する見方は変わりましたか?

【澤円】たとえ話としてよく使われますが、「競馬は賭けないとただの馬のかけっこ」という話とまさに同じです。賭けるからこそきちんと馬を見て分析しようと思うように、投資を実際にはじめたことで、投資についてよりきちんと学んでいこうと思えるようになりました。

写真=石塚雅人

【森永康平】知識を積み上げてからはじめるのではなく、やりながら知識を積み上げるということですよね。これは、わたしが投資の未経験者にいつも言っていることでもあります。日本人は基本的に真面目ですから、多くの人がしっかりと勉強してから投資をはじめようと考えます。でも、それだとたいていはじめる前に挫折してしまうのです。

500円や1000円という少額から投資をはじめられますから、まずはやってみる。すると、「1円でも損をしたくない」と考えるのが人間なので、「どうすれば損をしないだろう?」「どうして株価って変動するのだろう?」と疑問を持ち、勉強するつもりはなくとも勝手に勉強するということになるのです。