大阪カジノで“合法的に”女性をあてがう

大阪IRの開業は、最も順調に進んでも二〇三〇年秋。二〇二三年冬時点だと、まだ六年半以上も先となる。それでも、やり手のBさんは、リサーチに動いている。そこには大阪IRのカジノに来る男性に女性をあてがう商売が、うまみのあるビジネスになるとの計算が働いている。外国の富裕層、カジノで勝って懐が潤うギャンブラーは共に金払いが良い。女性たちのサービス単価が高くなる分、手配する側への〈キックバック〉も増える。

Bさんは、もちろん合法的なビジネスを目指す。非合法の場合、常に警察の目を気にしなければならず、反社との付き合いが生じる恐れがある。Bさんいわく、「それでは割に合わない商売にしかならない」。頭を使い、ギリギリの仕組みを考えてこそ、長く続けられるおいしい商売となる。だからこそ、早め早めに仕掛けるのだ。

折しも、二〇~三〇代の日本人女性が売春に手を染める事例の報告が、新型コロナウイルス感染症が五類に移行した二〇二三年春から続いている。新宿・歌舞伎町にある「大久保公園」周辺では、個人売春を行う「立ちんぼ」が多数いることが、当たり前になってしまった。また、日本を飛び出し、海外で売春行為をする女性も増えているとされる。

「1日15万~稼げます」といった投稿が流れるが……

在ラオス日本国大使館は同年四月、「ラオス北西部ボケオ県での求人詐欺に関する注意喚起」と題する文書を出した。そこには、次のように記されている。

「最近、ミャンマー及びタイと国境を接しているボケオ県の経済特別区において、高額な報酬等の好条件を提示してラオスに渡航させた後、実際は自由を拘束し違法活動に従事させるという、外国人を被害者とする求人詐欺が多発しています」

SNS上ではラオスでの売春話が散見されている。「噂されているような人身売買や薬漬けになるとか絶対ないので安心してお仕事できます 一日一五万~稼げます」。こんな投稿が流れたこともあった。

しかし、誰か分からない匿名アカウントがつぶやく「安心」「稼げます」より、日本国大使館の「注意喚起」を信じるべきだ。僕もとあるルートから、日本人女性がアジアで巻き込まれた海外売春のトラブルを聞いたことがある。間違いなくリスクが高く、やめたほうが無難だ。

とはいえ、各種状況を総合的に鑑みると、Bさんが女性を集めることに苦労はなさそうだ。そして、うまいことビジネスをしている近未来が予想できる。