トータルで目標の原価率を目指している

お酒を提供する飲食店では、食べ物の原価率を高めに、飲み物の原価率を低めに設定して、トータルで目標の原価率を目指しているケースが多いです。

食べ物の原価率を40%、飲み物の原価率を20%で設定し、注文の割合が半々であれば、食材原価は30%に収まります。

私はラーメン店を閉店したあと、ワインを中心にした洋風居酒屋を共同で経営しています。

飲み物の中でも、ワインは比較的原価率が高く、焼酎やウイスキーの水割りは原価率が低く設定されています。

また、手の込んだ料理を出しているので、原価率はどうしても高くなりがちです。

閉店ラッシュのいま、お気に入りの店を応援しよう

そのため、洋風居酒屋にとってうれしいお客さんとは、食べ物をあまり注文せず、原価率の低い水割りをどんどん飲んでくれる人になります。

石動龍『会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる』(日本実業出版社)

逆に、原価率の高い食べ物をたくさん注文し、飲み物は頼まず、無料の水だけのお客さんだと、利益率が低くなってしまいます。

個人経営のレストランやラーメン店は、余裕のない資金繰りで経営しているケースも多いです。無くなってほしくない店があるなら、たまにウーロン茶など原価率の低い商品を注文すると、店に残る利益が増えて、経営が安定する確率も高いでしょう。

もちろん店に来てもらえるだけでも十分嬉しいのですが、ラーメン店をはじめ飲食店の閉店ラッシュが起きているいま、そんな経営者の「本音」についても少しだけ理解していただけると、皆さんのお気に入りのお店も閉店せずにすむかもしれません。

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