最難関の東大が「要約力が重要だ」と考えている
ではなぜ、このような問題が出題されているのか? 東大は、こうした問題を課すことで、要約力を聞きたいのではないかと言われています。
短く言いまとめることができる能力があるかどうか? 長く説明するのではなく、スパッと言いたいことを言って、重要な要素のみをポイントを絞ってまとめる能力があるかどうか? そうしたことを問いたいのではないかと言われているわけです。
そして、この厳しい文字数制限のある記述問題ばかりの入試を超えて東大に合格する生徒というのは、自然と国語力・文章力が身についている場合が多いです。
自分の教え子を見ていると、東大生に合格してから文系理系問わずライターとしてバイトをしていることが多いです。ライターとしてバイトができる程度には、文章を書く能力が身についているのです。
しかも、見ていると「え⁉️高1のときダメダメな文章を書いていた彼が⁉️」というような生徒であっても、難なく文章を書いているのです。東大入試の文字数制限は、東大受験生を文字が書ける人に成長させているのだと考えられます。
さて、長々と「東京大学が日本で一番難しいと言われるのはなぜか?」という問いと答えをみなさんにお話ししたのは、「国語力・文章力を身につけるための訓練方法として、一番おすすめなのは、要約力だ」ということを伝えたかったからです。
私個人の意見というわけではなく、「東京大学がそう考えている」と考えられるわけです。
授業後の「一言まとめ」も訓練になる
ですから、「短く言いまとめる訓練」がいいのです。それも、本当に些細なことから、そこまで厳しい制限を加えずに、要約する訓練をするのがおすすめです。
私の教えている生徒で東大に合格した生徒は、毎回授業の後でノートに一言「まとめ」を書いていました。「今日の授業で一番大事先生が伝えたかったこと・覚えておくべきだと感じたポイント」を箇条書きにして書いていました。
毎回授業後の2〜3分程度の時間を使って書いていたわけですが、それだけのことですごく授業の理解度が高かったです。この「一言まとめ」も要約ですよね。
また他の生徒は、小さい頃から家で親御さんに「今日、学校で学んだこと」を伝える習慣があったそうです。
数学でも国語でも英語でも、なんでもいいので一つ、「今日は学校の先生からこんなことを学んだよ」「こんな話が面白かった」というのを伝えるのが家庭のルールだったのだとか。これも一種の要約の訓練だと言えます。
いかがでしょうか? ぜひ、親子で「短く言いまとめる訓練」をしてみてください。日常会話の中に少し入れる程度でもいいので実践してみると、国語力・文章力が向上するはずです。