銀行などで始めた人は面倒でも乗り換えを

NISA口座は年に1度まで、金融機関を変更することができます。

ただし、変更できるのは、その年の最初の取引を行う前のみで、1回でも取引をしていれば、その年には変更ができません。たとえば2月に株式投資をしたケースではその年は変更できませんし、積立投資をしているなら、積立を10月にやめても変更できるのは翌年以降になります。積立投資では分配金が自動的に再投資されますが、その再投資も「取引」に含まれます。

このように金融機関の変更はやや面倒ですが、商品の選択肢や手数料、クレカ投資のポイント還元などを考えると、もし銀行などに口座があるなら、ネット証券に変更したいところです。

なお、NISAには「日本にお住まいで、口座を開設する年の1月1日時点で18歳以上の方」という制限があり、海外駐在の可能性がある場合は注意が必要です。

最長5年の海外転勤等であれば、出国日前日までに「継続適用届出書」、帰国後には「帰国届出書」を提出することで、NISA口座で資産の保有を続けられます。2023年まではこのルールに対応している金融機関はごくわずかでしたが、今年に入って増えてきており、25年にはSBI証券をはじめとする大手証券のほとんどが対応予定です。

楽天証券では、海外赴任中に継続保有できるのは日本株式と日本債券のみでしたが、24年秋ごろまでに対象商品を拡充する予定です。今のところ、金融機関によって対象商品などに細かな違いがあるのでチェックしておきましょう。

※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年9月13日号)の一部を再編集したものです。

(構成=高橋晴美)
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