NISAやiDeCoで運用する投資信託は何がいいか。京都大学名誉教授で経済学者の川北英隆さんは「投資信託の購入は、最終的には読者自身で判断すべきだが、おすすめは2つある。1つは、個人としてよく知らないが成長すると判断した産業分野に特化した投資信託の活用だ。もう1つは、海外の株価指数を模倣するように設計されたパッシブ運用型のETFである。中でも推奨したいのは、バフェット氏と同じくS&P500を模倣するETFである」という――。
※本稿は、川北英隆『個別株の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
投資信託を使うことで得られる5つのメリット
投資信託を資産に組み入れるとすれば、何に着目すればいいのだろうか。
個人的に投資信託をあまり使ってこなかったことからすれば、多少の偏見があるとは自省している。とはいえ現時点において使っているのも事実だから、投資信託を投資対象とするにふさわしいと評価している部分もある。
以上に基づくと、偏見を含みつつも、優れていると評価できる点を中心に置き、投資信託のメリットを述べておくのがいいだろう。それ以外の、一般的に投資信託のメリットだとされる観点も指摘しておく。
これらを参考としつつ、自身の判断に基づき、投資信託の活用方法を考えてほしい。
以上を前置きとして、最初に投資信託を活用することで得られるメリットをまとめておきたい(図表1)。
ただし、この図は一般的に指摘されるメリットであり、筆者が必ずしもすべてに賛同しているわけではないと、付け加えておく。賛同できない点については本書の第1章4において述べたから、ここでは多くを繰り返さない。