「そんなに卑屈にならなくていいんだな」

現在、野村さんの診断は双極性障害となっており、障害者手帳を取り、パートタイムで働いている。月の収入はパートの3万円と障害年金で、食費を家に入れている。今はパートタイムだが、フルタイムで働いてまた一人暮らしをしたいと就労移行支援に通うことを検討しているところだ。

姫野桂『心理的虐待 子どもの心を殺す親たち』(扶桑社新書)

「母に内緒で月に1回カウンセリングにも通っています。ただ、そのカウンセリングは保険がきかなくて高いため、今月いっぱいでやめるつもりです。1時間のカウンセリングで7500円もします。これでも安いほうなのですが、現在の収入ではもう限界です。

カウンセリングでは主に母との関係について話し、カウンセリングを受けてからはそんなに卑屈にならなくていいんだなと思えるようになりました」

母親と娘の関係には難しいものがある。

筆者自身も過去に母と確執があった。また、ノンフィクション作家の菅野久美子さんの著書『母を捨てる』(プレジデント社)にも母親からの壮絶な虐待経験が綴られている。

カウンセリングを受けて多少自分のことを責めなくなった野村さんが今後また一人暮らしを再開できることを願いたい。

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