28歳の娘がどこへ行くかを把握したがる

「私が取った対応法は、とにかく理解のあるふりをすることでした。『お母さんは悪くないよ』とか。母は、離婚したいと言ってきたこともありました。きょうだいの中で私にだけ母が愚痴をこぼしたり、強くあたるのは、私が長女で一番愚痴を言いやすかったのだと思います。愚痴を言い合えるママ友もいないようだったので……」

また、野村さんの母親は過干渉で、野村さんのことを常に把握していないと気がすまないとのことだった。

出かける際もどこに行くのか伝えなければならない。実はこのインタビューもオンラインで行ったのだが、今現在母親と暮らしているため、インタビュー内容を聞かれてはまずいと、完全個室のネットカフェに行って対応してくれたのだ。ネットカフェに行く際は「ちょっと街に出てくる」と言って出てきたらしい。

いじめ被害に心配するところか「恥ずかしい」

「母は私が少しでも後ろ向きなことを言うと、『悲劇のヒロインぶっている』と馬鹿にします。それで、やはり私がいけないのかなと思うことが多くて。実は小学生の頃、学校でいじめられていたんです。小学生のいじめでよくあるバイキン扱いです。

それが担任の先生の耳に入り、担任の先生が母に連絡してきたのですが、母からは心配されるどころか、『いじめられるなんて恥ずかしい』とまで言われてしまいました。母からは見放されたような言葉を突きつけられ、学校ではいじめも終わることがありませんでした。

他にも小学生の頃、なかなか友達ができないのを担任の先生が心配して母に伝えたのですが、それも『友達もできないなんて恥ずかしい、あんたは暗いからダメなんだ』と言われました」

幸いなことに、父親は定時には上がってきて家族との時間を作る良い父親だったそうだが、当の母親は、野村さんにだけ強くあたっていることを父親や他のきょうだいには隠していたという。

とにかく野村さんを自分のモノとして所有しておきたい母親は、野村さんが地域の祭りに行くことも禁じていた。祭りでは不良が集まってきてトラブルが起こるからとか、娘を心配してのことかと思いきや、完全に母親の気分で祭りがうるさくて嫌いだったかららしい。