利回りは年3.5%~4%くらいならOK

④利回り

不動産投資は、長期にわたって家賃収入を得ていく投資法ですから、家賃の利回りは重要なポイントになります。

もちろん高いに越したことはありませんが、高利回り物件には、それに応じたリスクがあることも忘れないようにしてください。

ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンは株式投資だけでなく、不動産投資にもあてはまります。

まず不動産利回りの計算式を説明しておきましょう。

表面利回り(%)=(年間家賃収入÷物件価格)×100
実質利回り(%)={(年間家賃収入-年間支出)÷物件価格}×100

この計算式でおわかりいただけると思いますが、単純に年間の家賃収入を物件価格で割って求められるのが表面利回りです。仮に毎月の家賃が6万円で、物件価格が1400万円だとしたら、

(72万円÷1400万)×100=5.14%

そして実質利回りは、年間家賃収入から、管理費、修繕積立金、固定資産税、火災保険料など1年間にかかる経費(支出)を差し引き、残った額を物件価格で割って求められます。

なお、これらの経費は、物件によって大きく異なりますので、一概にいくらとは言えません。私が最初に投資したワンルームマンションの場合は毎月2万円程度の経費がかかっていました。

ちなみに、不動産会社は表面利回りを提示していますが、実質利回りは出してくれませんので、自分で計算する必要があります。

大体、どのくらいの利回りがあれば良いのか、ということですが、私は年3.5%~4%くらいならOKと考えています。

ただ、投資用マンションの広告などを見ると、年10%といった非常に高い利回りを提示している物件もありますが、まずこれは表面利回りのことで、ここから各種経費を差し引く必要がある点に注意してください。

また、利回りの高さだけで投資すると、後で痛い目に遭う恐れもあります。たとえば、かなり古いマンションで、立地があまり良くない地方の物件などが、1つの代表例と言えるでしょう。この手の物件は、だいたい利回りが高くなる傾向が見られますが、結局、古いので修繕費がかなり高額になり、実質利回りで見るとそんなに高くなかったということがあります。

さらに言えば、地方の築古マンションは借りる人がどのくらいいるのかという点も配慮しておく必要があります。空室期間が長くなると、それだけ利回りは低下してしまいます。

もっと言うと、空室を埋めるために家賃を引き下げざるを得ず、最終的に10%の表面利率をはるかに下回る利回りしか得られなかったということにもなりかねません。

むやみに高い表面利回りを提示しているような物件は、その良し悪しを慎重に見極める必要があります。