新築よりも断然、中古物件の方が有利

③築年数

築年数は、基本的に新しいに越したことはないのですが、当然、築年数が新しい、いわゆる「築浅物件」ほど、値段が高くなります。

築浅、築古について考える前に、まず新築物件にするか、それとも中古物件にするかを考えてみたいと思います。

私はいずれかを選ぶのであれば、断然、中古物件です。もちろん新築は綺麗ですが、問題はちょっとでも住んだ瞬間に中古物件となり、価格が大きく下がってしまうからです。

と言っても、誰かが1日でも住んだら古くなるという理由ではありません。新築物件の場合、建物や土地代だけでなく、そこに物件を売るための広告宣伝費、実際に住宅を販売する営業費、さらにはモデルルーム運営費といった諸費用が上乗せされていて、それは人気の高い物件ほど高めに盛られているのですが、中古になった途端、これら諸費用によって膨らんだ分が剥落するからです。こういった諸経費による割り増し分のことを「新築プレミアム」などと言うのですが、これが新築価格の2~3割程度を占めるとまで言われています。

ということは、新築物件から中古物件に変わった途端、少なくともその物件の価値は2~3割落ちることになります。3000万円の物件だとしたら、600万円から900万円です。買って住んだ瞬間にこれだけ価値が落ちるのですから、トータルの投資効率を考えた場合、極めて不利です。

この点、中古物件であれば新築プレミアムが剥落した後の価格で購入できますから、その分だけ利回りが向上します。しかも、新築プレミアムが剥落した後の不動産価格は、バブル崩壊の時のような急落ではなく、年々緩やかに下落していきます。もちろん下がることは下がるのですが、新築物件に投資した場合に比べれば、不動産価格の下落リスクは軽減されます。

では、中古物件に投資するとしたら、築年数はどのくらいが良いのでしょうか。

私は築5年以降15年くらいまでをおすすめしています。もちろん築古の方が価格はこなれているのですが、下手をすると管理費や修繕積立金が滞納されている恐れがありますし、滞納されていなかったとしても、大規模修繕の時などに想定以上の修繕費がかかってしまう恐れがあります。

価格の安い築古物件を買って修繕費を払うか、それとも修繕費は掛からないけれども価格の高い築浅物件を買うか。これは個々人の好き好きとしか言いようがないのですが、築古物件の場合、いくら修繕費をかけて新しくしたとしても、たとえばセキュリティがしっかりしていないなどで機能面の古さから借り手がなかなか現れない恐れがあります。

不動産投資で最も怖いリスクの1つは、借り手がいなくて空室になることですから、空室リスクにつながる要素はできるだけ排除しておきたいところです。その意味では、多少価格が高くなるとしても、築浅物件を買う方が無難です。