「共有の山があるかどうか」を必ず確認
私は、共有の山林の登記が漏れているケースをそれこそ山ほど見てきました。だから山林の近くに住む方からの相談では、「共有の山をお持ちではないですか?」と必ず確認します。
すると、「そういえば、お父さん、何か山があるとか言っていたかも」「子どものときに山に連れていかれて『この山は俺のもんだ』と自慢していたわ」といった話が出てくるものです。
そこから「共有者名簿はないですか?」「何かヒントになる資料はないですか?」と深掘りすると、何かしら出てくることが意外にあるのです。
明治時代のあいまいな公図に基づいていることがほとんど
また、山林は、都会の住宅地のように境界が明確ではなく、明治時代に描かれたあいまいな公図に基づいていることがほとんどです。
共有者名簿が残っていても、いったい山のどの部分が自分の所有地なのか、わからなくなっていることもあります。
古くから山に入り慣れている森林組合のベテランは、木の植え方を見れば誰の土地かわかることもあるそうですが、一般の人にはとてもわからないでしょう。
山林を共有しているからといって、相続のときは他の共有者の同意などは不要です。自分の持ち分の相続登記をするだけでかまいません。
かつてはゴルフ場開発で山林が買い取られるケースもありましたが、今はそうしたチャンスはほとんどないようです。オートキャンプ場などに活用するケースもありますが、立地によりけりですから、やはりお荷物になりやすい資産といえます。
相続登記が義務化されたこのタイミングで、共有の山林があるかどうか、今一度チェックしてみることをおすすめします。