ことホテル選びについては、「繁華街や中心部から離れている」「駐車場が別料金」「建物や設備全体が古い(貧弱なWi-Fiしかないこともあり)」と料金が安めであることが多い。
それに加えて、「何らかの訳あり」の場合もある。立地もまずまず、駐車場も無料だったのに、妙に割安価格のホテルに泊まったことがあるが、理由は現地に行ってみてわかった。目の前が競輪場だったのだ。
繰り返すが、「安い」には何らかの理由がある。その安さを面白がれる人以外は、「最安」を求めすぎると、満足度というコスパは下げることになるだろう。
お金持ちが定宿を決めている理由
宿泊業界は人手不足が深刻だ。チェックイン前の時間はフロントが無人になったり、交換するタオルやリネンは部屋のドア前に置くだけ、というホテルも少なくない。つまり、「サービス無料」の時代は終わったのだ。安さを選ぶなら、不便を甘受し、その穴を自力で埋める覚悟をしなくてはいけない。
大阪で筆者がよく利用していたホテルは、宿泊料金はやや高めだったが、チェックアウト後も希望する時間まで荷物を預かってくれた。もちろん無料でだ。これがいかにありがたいかは、大きなキャリーケースを引いたまま街中を歩くのがどれほど面倒か考えればわかるだろう。荷物を抱えたままコインロッカーを探し、駅に近い場所はすでにいっぱいで、さらに遠くまで歩き回るストレスから解放される。
お金持ちが一定ランク以上の定宿を決めているのは、提供されるサービスを含めて妥当な価格だと判断しているからだ。ムダな手間や時間、そしてストレスを無くせることも含め、料金を払う。コスパがいい宿とは、「自分が重視するサービスへの対価」として料金が納得できるかどうかだろう。
南向きの家は本当にコスパがいいのか
物価高への生活防衛として、リサイクルショップで中古家電が人気だという。動作確認や清掃済みで、見た目は新品同様にきれいだ。そして価格は新品より安い。そのため、あえて中古を選ぶ消費者もいる、オトクだからという理由で。
ただし、その前に知っておくべき点はある。まず、大手リサイクルショップでは主に製造から7~10年以内の製品が買い取り対象のため、製造年数が古くなるほど省エネ性能等は現行製品より劣り、電気代が余計にかかる可能性がある。
省エネ性能の差は明らかで、最新家電は10年前の製品と比較して、冷蔵庫だと約42%、テレビは約31%、エアコンでは約15%の電気代が減らせるという(容量などの条件による。環境省サイトより)。
よく「家電の寿命は10年」と聞くが、これは部品の保有期間に拠っている。せっかく中古で安く買っても、数年で故障してしまい、部品がなくて修理も難しいとなると、払った代金がムダになってしまいかねない。