50代での「学び直し」はどうせ役に立たない

自分が取り組んできた技術は時代遅れになったと嘆くのではなく、自分が必要とされるところを探しなさい、と言いたいのです。1人でも、2人でも、自分を必要とする人がいれば人生が楽しくなります。自分の仕事は、自分の蒔いた種なので、楽しく刈り取りなさいよと。

最近はリスキリングとか、学び直しなど、よく聞きます。時代遅れにならないように、新しいスキルを身につけましょうと、会社が従業員に言い出したりもしています。

しかし、50代で仕事の学び直しは役に立たないことが多く、アホじゃないかと見ています。会社の都合で、従業員をどうにかしようと考えているのです。人材研修の会社を儲けさせて、喜ばせるだけになります。学び直しをさせようとする会社の社長自身が、何も考えていないのではないでしょうか。

もし、何かを学ぶのであれば、会社の仕事とはまったく関係のないことのほうが楽しくなります。たとえば、ダンスや音楽バンド、小唄や浄瑠璃をやってみたり、小説を書いてみたり、これまでやってこなかったこと、仕事とはまったく関係なさそうなことに挑戦するほうが楽しくなるはずです。

そうしたほうが、人脈も新しくでき、新たな発見も出てくるかもしれません。それが、いまの仕事に生きてくることもあるのです。

50代くらいで、人生の先が見え始めたときに不安が生じてきます。新1万円札の顔となった実業家の渋沢栄一は、自分に訪れる不安が自然なものなのなら、受け入れざるをえないと言っています。一方、人為的な不安は、自分が蒔いた種で、どうして悩んでいるのかと。そこは、プラスに考えていくしかありません。そうしていれば、周囲の人たちが、よく頑張っていると評価もしてくれます。