30代~50代男性は経済的困窮が孤独に直結

しかし、注目すべきは、今まで列挙したような性年代別配偶関係別などの属性や外出・会う頻度の差よりも、経済的ゆとりの有無のほうがよっぽど孤独感に大きな影響を及ぼしていることです。

さらに詳細に、男女年代別の経済的ゆとりの「あり+ややあり」「普通」「苦しい+とても苦しい」で3分類した孤独感を見ると、明らかに経済的ゆとりのなさが孤独感に直結していることがわかります。

特に、男性に関しては、もっとも働き盛りでもある30代~50代にかけて、経済的に苦しいと感じる人の孤独感の高さが最大となっています。

足りないのは家族や友人ではなく、お金だった

さらに、孤独感に影響を与えた人生のイベントごとに見ていくと、「一人暮らし」など人との同居環境による変化は孤独感にはほとんど影響を及ぼしてはいないし、家族との離別や死別、友人などの離別についても少ない。もちろん、人間関係や家族内でのトラブル、失業なども多少影響力はありますが、男女ともにもっとも高いのは「生活困窮・貧困」です。

今まで、感覚的に「家族や友達など話し相手がいない」とか「コミュニケーションする相手がいない」ことだけが、孤独感の元凶のように語られていましたが、調査から浮かび上がってきたのは、「孤独とは経済問題なのだ」という発見です。要するに、「足りないのは、家族や友達や会話ではなくお金だった」ということです。

だとすると、孤独解決のためには「お友達を作りましょう」「趣味仲間を作りましょう」「誰かと同居しましょう」などと言われていましたが、解決の道はそうではなく、経済的な欠落感がなくなれば孤独感は解消されるかもしれないという新たな解決方法も見えてきます。