徹底して成績だけで採る理系大学ではアジア系が強い
そもそもこうした基準のランキングがいいかどうかという議論もありますが、ランキングがあるおかげで、どこの大学もジェンダーバランスや人種的なバランスなどを意識して取ろうとしていますよね。
他方、人種間のバランスを取らない大学として有名なのが、カリフォルニア工科大学。通称カルテクですね。カリフォルニア工科大学は人種のバランスを一切見ないと公言していて、学力とかSATとかだけで見ると。
そうすると、いまはもう4割近くアジア系になっているようです。抜群に成績のいい子はみんなアジア圏なので、そういう偏りが出てくるってことですよね。
【西田】
こうやってみるとアメリカも結構ヤバいですね。アファーマティブアクションというと公民権運動に関心が向きがちですが、この場合はフェミニズムの影響なのでしょうか。
【安田】
はい、まさにそういった社会の動きに対応しています。共学化の流れが起きて、男子大学のままでいると、女子学生はもちろん保守的な姿勢を嫌う優秀な男子学生も来なくなってしまう。プリンストン大学を含め、競争のプレッシャーにさらされた結果、各大学が次々に女子学生を受け入れていったようです。
あとは、アイビーリーグだと男子校のそばに、もともと姉妹校ではないですが併設校みたいなのがあって、女子はそちらに通っているケースもありました。そのバラバラだった2つの大学がくっついて共学になったというような歴史もあります。大学によってそのあたりの経緯は違えども、重要なのは結構最近まで男子校だったということですね。
戦後すぐぐらいまで、アメリカの名門大学は、本当にいわゆるWASPの人たちが文字通り牛耳ってたんじゃないでしょうか。
やっぱり、ある種の意思の問題ですよね。