日本は欧米に比べて女子の大学進学率が著しく低い。なぜなのか。経済学者の安田洋祐さんは「本人の能力にかかわらず、社会に残るジェンダーギャップが大きく影響している。東京大学を卒業した女性は男性に比べて結婚しづらいのも同じ理由によるものだ」という――。
※本稿は、西田亮介、安田洋祐『日本の未来、本当に大丈夫なんですか会議 経済学×社会学で社会課題を解決する』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
欧米では女子のほうが大学進学率が高い
ぼくが大学に関する国際的な比較で衝撃を受けたのが、大学生の男女比です。
これを見てみるとOECD諸国のなかで男性のほうが多いのは日本ぐらいなんです。
北米とかヨーロッパはもう軒並み女子のほうが進学比率が高いんですよね。
日本にいるとわかりやすく地方格差と男女格差があって、47都道府県のうち、女子が男子の大学進学率を上回っているのは徳島県(女子52.6%)と高知県(同49.1%)、鳥取県(同43.4%)です(文科省「2022年度学校基本調査」による)。ほかはすべて男子のほうが進学率は高くなっています。
伝統的に、女性が大学を出てキャリアを築いても期待できるリターンが少ないのであまり熱心に大学に行こうとしないという深刻な構造問題があるのと、あとは女性には短期大学という選択肢があるから、という点が大きいのではないでしょうか。