「女の子が東大に行くと結婚しにくくなる」は本当か

でも、地方だと優秀でも女の子には教師があまり東大はすすめない……というようなことを聞きますよね。本人だけではなくて周りの大人、つまり親や教師にアンコンシャスバイアスがあって本来のポテンシャルとは違う道をすすめているということはありそうです。

また、経済的な意味では西田さんがおっしゃるようにそんなに男女差がなくなってきているかもしれない一方で、よく聞くのが「女の子で東大に行くと結婚しにくくなる」とかですよね。これは本人もそうだし、親御さんにとっても「行かせて大丈夫なのか」という懸念材料にはなりそうです。

【西田】
そうか。親が期待するリターンもあるわけですね。

【安田】
そうそう。必ずしも経済的なリターンだけではないっていう。

【西田】
安田さんは東大OBですけど、実際に東大卒の女性は結婚できないんですか? それとも都市伝説なんですか。

男子は1度は結婚している人が大半なのに対して、女子は40歳を過ぎても未婚という人が知り合いにも何名かいます。ただ、実際のデータを見ると、東大女子の未婚率がいちじるしく高いわけではないので、その意味ではちょっと誇張されすぎている気もします。

東京大学OG・女子学生の婚姻率
日本の未来、本当に大丈夫なんですか会議』(日本実業出版社)より

男性が下駄を履かせてもらっている状況は続いている

男女問わず、東大を卒業していい企業に就職したり役人になったりする人は多いですよね。そして男性の場合はキャリアと結婚の両方を追求できています。

つまり、家事や育児は配偶者が担ってくれるのでキャリアに集中できるという、男性が思いっきり下駄を履かせてもらっている状況はまだ続いています。

一方で、女性だとそれが難しいので気がついてみたら仕事はうまくいっているんだけど、キャリアを追求し続けた結果、婚期が遅れる、逃すみたいな人はいますよね。同じゼミ出身者とかクラスメイトとかを振り返ってもそういう印象を受けます。東大女性の婚活を専門にしている会社が行なった実態調査でも、そういった結果が出ています。