データファイルをアップロードして分析を依頼

ChatGPTは収集した情報をデータサイエンティストのように分析することができます。

人間の作業は、データのファイルをアップロードして分析を依頼するだけです。

たとえば、先日、統計局が2023年度家計調査の最新版を発表しました。このデータは、2020年度のデータと比較すればパンデミック前後の消費の変化が見えてくるという興味深いものでした。このExcelのファイルをChatGPTにアップロードして「2020年と比較して変動が大きな10項目を抽出して」と命じると、こんな回答がありました。

頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)より

これらの項目から、特に旅行とエンターテインメント関連の費用が顕著に増加していることがわかります。消費者のレジャー活動への支出意欲の増加や、旅行業界の価格動向など、複数の要因がこのような変動に寄与している可能性があります。

きれいなグラフの作成もお手のもの

さらに「これらの10項目の経年変化を読みやすいグラフにしてください」と指示すると、きれいなグラフが出力されました(日本語でグラフを作成してもらうために、事前にフォントのデータをアップロードしておきました)。

頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)より

この分析結果を受け取るまで、グラフ作成後に、“念のための確認”としてデータにあたりはしましたが、私は一度もデータそのものを見ていません。

データの概要がわかっていれば、「こんな分析をしてほしい」と言葉で指示するだけでいいのです。

ChatGPTはデータ分析でありがちな欠損値や異常値にも柔軟に修正できますし、多彩なグラフを作ってもくれます。データサイエンティストをあなた専用に雇ったようなものなのです。

ややこしい情報の整理・分類はAIの得意分野

生成AIには複雑な情報を分類・整理する能力があります。

ありがちなパターンを生成するAIなので、ありがちな分類ができます。すなわち完璧ではありませんが、厳密さを要求されない日常の仕事では十分に活用できます。

たとえば、ChatGPTに2023年度のベストセラーの10冊のタイトルと出版社名を与えました。次のプロンプトを与えると本をジャンルに分類しました。『この世にたやすい仕事はない』はタイトルだけ見るとノンフィクションのようですが、中身はフィクションなのでChatGPTの分類は正しいです。

〈プロンプト〉
この10冊をジャンルに分類してください。図書館分類も教えてください
頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)より

音楽作品や映画作品のジャンルでも分類ができますし、動物種、車の車種、企業の業種などでもかなり高い精度で分類することが可能です。

分類精度が悪いと感じたら、

〈プロンプト〉
Webを調べながら分類して

と指示すると、時間はかかりますが精度が上がることがあります。