Amazonで「恐竜」と検索し、自分でワンクリック購入

いくつか特徴的な購買行動をしていたα世代を紹介します。

ケース1:ショッピングサイトの「保存」を巧みに使う小学4年生の女の子

数カ月前にイヤリングがほしくなり母親に相談。母親はピアスしか持っていないため借りられないことが分かったので、母親のスマートフォンを借りて、楽天でイヤリングを検索しました。ほしいと思ったイヤリングをお気に入りに登録保存したものの、母親からは「買うのはちょっと待っていなさい」と言われたため、そのままお気に入りに保存しておき、買ってもらえる機会を狙っていました。今回の調査で、お気に入り登録を母親に改めて見せ、購入してもらいました。

ケース2:スマホで検索・購入まで完結する小学2年生の男の子

家族所有しているタブレットで、普段から有料動画アプリなどを自分の意志で使うことができます。今回の調査が決まり、Amazonで「恐竜」と検索し、モササウルスのフィギュアを発見。商品の詳細説明欄でサイズを見てから、自分の定規でフィギュアの大きさを確認し、ワンクリックで買える設定になっていたので自分で購入まで行いました。保護者には購入した後に報告しました。

ゲーム実況動画は、ネタバレではなく「前準備」

また、α世代の情報源としてYouTubeが一般的になっていることにより、買い物の仕方にも変化が起きています。

ケース3:YouTubeを見てクリア方法まで確認した上で、ゲームを購入する小学4年生の男の子
小々馬敦『新消費をつくるα世代』(日経BP)

YouTubeで流れるコマーシャルや店のおもちゃコーナー、YouTubeのゲーム実況で新作のゲームを知りました。その後YouTubeのゲーム実況でクリアまでの全過程を視聴し、だいたいのクリア方法が分かった上で、このゲームが面白いことを十分に理解したため購入しました。ネタバレという意識ではなく、最後まで面白いことが分かっているため安心して楽しめるようです。インタビューしたときには、だいたい全部をクリアしていて、「期待していた通りに面白かった」と話していました。

YouTubeでクリアまでを確認することに「ネタバレ」という意識はなく、楽しむための“前準備”のような位置付けのようです。事前に確認することで楽しさが低下することはなく、「やっぱり最後まで楽しかった」と感じているようです。まるで事前にゲームをクリアしていく様子をシミュレーションして、ゲームを分析しながらプレーすることを楽しんでいるようです。

出所=『新消費をつくるα世代』(日経BP)
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