ありきたりじゃなくなる6つの書き出し
1、結論からはじめる「仕事ができる人は、感情コントロール力が高い」
結論(一番言いたいこと)を頭に持ってくるパターンです。今からなんの話がはじまるのかわかりやすいので、読み手のストレスが減ります。
2、疑問文、問い「肌がきれいな人は、寝る前に何をしているのか」
おっ、なんだろうと読者の興味を惹けるのがこの書き出しです。
このとき、「あなたは〜していませんか」「いつも〜していませんか」「まだ〜している人はいませんか」など、責めるニュアンスがある疑問文を連発すると、読者は余計なお世話に感じたり、怒られているようで苦しくなったりするので、注意が必要です。
3、セリフ「とにかくすごいことが起きた」
実際のセリフや脳内に浮かんだセリフから書き出すパターンです。
4、数字「日本人の8割が、一生に一度は腰痛を経験する」
「日本人の多くが腰痛に悩んでいる」と書くのではなく、「8割」という数字を入れているのがポイントです(根拠がしっかりあることが前提です)。「とても寒い」と書かずに「温度計がマイナス5度を指している」と書いてみてください。
数字を入れると言葉は強くなります。
5、情景「オープンキッチンにしたら、食器洗いが夫の担当になった」
起きた事実や、目の前に広がっている情景をそのまま書き出すパターンです。
次に紹介する、川端康成の『雪国』の冒頭のようなイメージです。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。」
6、逆説(ギャップ)「つらいときほど、ため息をつこう」
「え? なんで?」と読者が思わず聞き返したくなるような冒頭です。
ため息なんてついたらダメなんじゃないの? 幸せが逃げるとかいうじゃん、と思ったところで、「ため息には、リラックス作用がある。ふーっと長く息を吐くことで、バランスが崩れた自律神経の働きを回復させようとする」といったように、その理由が続くと、「なるほど」と納得感が上がります。
「私は」「今日は」「弊社は」などありきたりの書き出しで書いていた文章を、6つの書き出しパターンのどれかに当てはめて書き換えてみましょう。
なんでも野球にたとえる人に欠けている視点
話がわかりやすい人は、たとえ話がうまいものです。
以前、仕事でご一緒した人が、すべてのことを野球にたとえる人で、野球に詳しくない私は、なんのことを言っているのかよくわからなくて苦労しました。
「今回の提案は、ヒットを狙うな、とにかく塁に出ろ」とか「置きに行くようなコピー書くなよ〜」とか言われても、ピンとこないのです。
戦国武将にたとえたり、好きなアニメのストーリーにたとえたりするのは、それにピンとくる相手ならいいですが、わからない人は、ぽかーんとしてしまいます。
相手がピンとくるたとえ話を作るためには、次の3ステップで考えてみましょう。
1、相手の関心ごとを知る
まずは、観察(先の記事でお伝えした方法)で、相手の関心や興味を理解します。
その上で、共感できるテーマや事例を見つけましょう。
2、具体的で身近な例を使用する
たとえ話は、抽象的なことを具体的なイメージに変換するための手段です。身近な体験や具体的な例を使うことで、相手がより理解しやすくなります。
3、相手の知識や経験に合わせて濃度を調整する
それについてよく知っている人なら濃いめの話を、あまり知らない人なら薄めの話といったように、濃度調整していきましょう。