オンラインサービスを使えば「65万円控除」が受けられる

昨年までは電卓を使って項目ごとに合算し、決算書に入力するというアナログな手法だったが、今年は青色申告のオンラインサービスを使って確定申告をした。すると電卓を使う必要なく、自動計算で、しかも55万円の控除が適用されるのだ。私が利用した「やよいの青色申告オンライン」は初年度無料、次年度も1万円台で利用できる。こうしたサービスはほかにも多数ある。

簡単に作成でき、これまでの10万円の控除と比べて、45万円も控除額に差がついた。もっと早くやれば良かったと思った。しかもその件を服部氏に話すと「なぜ65万円控除にしなかったの?」と尋ねられてしまった。55万円控除と、最大の65万円控除の差は「e-Taxで確定申告を行うかどうか」である(厳密には電子帳簿保存も必要だが、「やよいの青色申告」でその点はクリアされている)。

e-Taxまではできない気がしてチャレンジしなかったのだが、ちゃんと65万円控除を適用すれば、さらに数万円の税金が安くなったはずである。来年度こそ挑戦したい。

これは余談だが、青色申告で55万円控除までしたからこそ、所得500万円以下でしか適用できない「ひとり親控除」を今年の申告で初めて使うことができた。国保料には影響しないが、これでほかの税金を軽減することもできる。

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「減額制度は使えない」という思い込みはダメ

国保料を下げる2つ目の方法は、「減額制度」である。聞いたことがある人も多いだろう。前年の所得が一定基準以下の世帯には、7割・5割・2割と段階的に国保料を減額してもらえることがあるのだ。基本的に申請の必要はないが、自治体がその人の所得を把握していなければ減額されない。自分が基準に該当するのかどうか、住まいの自治体窓口で確認してほしい。

私も支払えないと思った時、居住地の国民健康保険を扱う窓口(都内)でたずねたことがある。しかし「通常、国保料の減額は直近3カ月の収入や家賃の金額などトータルで判定しますが、生活保護を受けられるかどうかというほど困窮している世帯が対象になります」と言われてしまった。

しかし、だからといって「自分は該当しない」と即座に決めつけないほうがいい。

ファイナンシャルプランナーの内藤眞弓氏(所属:生活設計塾クルー)はこう説明する。

「実際に減額されている世帯は800万世帯近くあるのです。相当な数ではないでしょうか。7割・5割・2割といった法定軽減だけでなく、各自治体が定める申請減額制度もあります。ですから困ったら、自分の状況を的確に伝えられるメモを持ち、やはり自治体の窓口に相談してみたほうがいいと思います」