塀をよじ登る、首都高上を歩く人が登場

大黒PAは原則として車以外の交通手段で訪れることはできない。タクシースタンドもバス停もない。多くは外国人向けの大黒PAツアー(おそらく未認可?)を利用するか、外国人でも貸してくれるレンタカーを使って自ら運転していくか、ということになる。

中にはタクシーで大黒PAの近く(一般道)まで来て、高い塀をよじ登って入る外客もいる。逆に何とかタクシーで大黒PAに来たものの帰りの足がない(タクシーを呼べない)ということで首都高上を歩いて非常口から出ようとする外客も存在する。

いずれも禁止行為であり非常に危険だ。そこで2023年に首都高は禁止行為をしてまで侵入しようとする外国人に向けて警告動画を出した。

今はどうなっているのか?

「現在も歩道から塀を乗り越えてPA内へ入ってくる事象は発生しております。違法行為を見つけた際は、警備員による口頭での厳重注意や警察への引き渡しを行っております。」(首都高広報課)

なんとしてでもドリフトを見たい輩たち

もう一つ、外客絡みのトラブルといえば「ドリフト見物」である。これは大黒橋通りで夜な夜な行われるドリフト走行を見る行為である。こちらも、大黒PAを訪れる外客が増えてから悪質行為が増加した印象がある。かつて美しい夜景が望めた展望エリアは、近年、違法ドリフト走行を見物できる場所として人気を集めるようになってしまった。

ごくまれに通報を受けた鶴見警察署のパトカーが出向くこともあるが、動画などを見ていると警察はドリフト族から完全に舐められている雰囲気だ。大黒ふ頭内には一般の民家が存在せず、苦情が入りにくいという事情もあるのか。取り締まりがまったく追い付いていないようだ。

対策としてまずは昨年12月にブロック塀の上にフェンスが設置されたが、すぐにブロック塀の上に立ってみる人が続出。その後、コーンやテープで囲って立入禁止としたが、これも即刻突破し見物人が集まるように。ついには階段自体を大がかりに封鎖して2階の広場に上がれないようにしたが、それでもまだ横の隙間などから上がる輩が現れた。

撮影=加藤博人
ドリフト見物できないように階段下からバリケードを設置したが効果なし…

結局、階段そのものの封鎖はやめて、再びフェンス周りをブロックしたのだが、ここもまたすぐさま突破されてなんと、屋根に上がって見る輩が多数登場したのだ。

撮影=加藤博人
屋根に上るドリフト見物客たち