首都高の大黒PA(横浜市鶴見区)が外国人観光客の集まる人気スポットになっている。彼らのお目当ては日本製スポーツカーとドリフト見物だが、首都高が禁止している迷惑行為が相次いでいるという。自動車生活ジャーナリストの加藤久美子さんがリポートする――。
オープンから35年、「車好きの聖地」に
首都高の休憩施設「大黒パーキングエリア」(以下、大黒PA)は1989年9月27日、横浜ベイブリッジの開通とともにオープンした。バブル真っ盛りのころで、ベイブリッジ~大黒PAはすぐに人気のデートスポットになった。
開通から1年を経ても周辺道路は週末になると大渋滞。首都高「新山下」ランプから入ってベイブリッジを渡り、大黒PAに入ろうとする車で大さん橋付近から数キロにわたって渋滞していたことを思い出す。
大黒PAに車好きが集まるようになったのは90年代半ば以降で、インターネットの普及とともに増えていった。90年代後半からはパソコン通信のネットワーク「ニフティサーブ」が運営する「フォーラム」と呼ばれるコミュニティが無数に存在し、車関係も車種別に活発なフォーラムが数多くあった。
愛車と一緒に仲間とリアルで集う「オフ会」が箱根や伊豆、房総半島など各地で開催されるようになり、その集合場所に大黒PAが選ばれることが増えてきた。やがて大黒PAそのものを目的地として集まることも増え、それが現在の「車好きの聖地」としての大黒PAにつながっていくことになる。
集まりやすさは「海ほたる」より上
何しろ大黒PAは、東京・千葉方面からでも神奈川方面からでも合流して同じスペースに駐車できるので集まりやすい。
2020年にはK7(首都高速神奈川7号横浜北西線)と呼ばれる新しい路線も開通し、東名高速とも直結しアクセスが格段によくなった。なお、東京湾アクアラインにある「海ほたる」も千葉と東京の両方向から合流でき、Uターンも可能で車好きが集まる場所として人気があるが、駐車フロアが千葉方面と東京方面では異なるのがやや使いにくい。