パワースポットには「縁結び」の御利益があるといわれる。そのなかでも出雲大社は「縁結びの聖地」として有名だ。しかし、「縁」はどうやってできるのか。ノンフィクション作家の高橋秀実氏は「『縁結び』という言葉によって、縁は結ばれるものになったような気もする。要するに物は言い様なのだ」という――。

※本稿は、高橋秀実『パワースポットはここですね』(新潮社)の一部を再編集したものです。

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川崎駅周辺の神社では「ステキな彼氏が出来る!」

地元のタウン誌によると、川崎駅周辺は「縁結びのパワースポット」らしい。駅前の女躰大神にょたいおおかみには「夫婦和合縁結び、、、家内安全家運隆昌安産学芸武道の護神、生命の源なる水の守護神」(石碑より 傍点筆者)が祀られている。

その近くの稲毛神社も武勇勝利の神、武甕槌神たけみかつちのかみを主祭神とするのだが、なぜか「戦勝とその後の親和協力」(同社HP)を祈るということで縁結びに御利益があるという。戦いも縁結びの機縁らしく結婚式場まで備えているのだ。

さらにこれらを巡って開運パワーをいただく「ご縁結び三社巡り」もある。縁結びの神社を縁結びするようで、なんでもかんでも縁結びなのである。実際、ネットで「パワースポット」を検索してみても、圧倒的に目立つのは「縁結びのパワースポット」だ。

縁結びに効かないパワースポットはないくらいで、大抵はそこに行けば「恋愛運アップ!」で「ステキな彼氏が出来る!」とのこと。

まるでシンデレラ城のようなのだが、そもそも縁結びのパワーとは一体、何なのだろうか。健康や商売繁盛を祈願するなら本人にパワーがチャージされそうだが、縁はむしろ力を抜くことで気づくものではないだろうか。