病院の名前・ブランドよりも実績のある医師を選ぶ

ふたつ目は、病院の大きさや名声だけで安易に命を託してはいけないということです。事前に実績を調べて目星をつけた病院に行ってみても、対応に違和感を覚えたら迷わず次の病院を探すことを考えてください。

本来であれば患者さん側が医者の情報にアクセスしやすい環境がもっと整っているべきなのですが、残念ながら日本はまだまだそのあたりが遅れています。

ちなみに私が考える理想は米国ニューヨーク州のアクセス方法です。たとえば「○○先生が執刀した年間執刀件数は何例、死亡が何例」といったことが、調べればすべて出てきます。

非常にフェアな方法なので日本でもぜひ取り入れてほしいところですが、現状はそうなっていないので、「この医者は私の命を託すに値する医師かどうか」という視点で選ぶようにするといいでしょう。

3つ目ですが、これは日本の患者さん特有の感覚でしょう。ひとつ目で避けたほうがいいといった病院に万が一入院した場合。普通であれば転院しようという気持ちになるはずですが、実際はなかなかなりません。

とても不思議なことに、日本の患者さんは、自分がかかっている病院のことを「いい病院だ」と思い込もうとする傾向があります。

セカンドオピニオンを拒否する医者は絶対NG

「先生が親切」とか「若いけれどよく見てくれる」とか、医療以外の面を重視してしまい、結果としてわざわざ患者さんが高いリスクを負ってしまう。あるいは、地方ほど「この病院に見捨てられたらほかの選択肢がない」という考えを持ってしまう人もいるでしょう。

渡邊剛『心を安定させる方法』(アスコム)

心臓外科は、最終的には腕がすべてです。

そして最後の4つ目ですが、患者さんが他院へのセカンドオピニオンについて尋ねた途端、「もう今後は診ない」とか「あそこに行ってもよくないよ」などと言い出す医者ならば、すぐに病院を変えてください。その医者はおそらく、自らの医療が劣っていると考えているか、プライドを傷つけられたと感じていると思います。

生死に関わるような事態に、医者のプライドをくみ取る必要などまったくありません。ベストな環境での治療を選ぶことが大切です。

もし、みなさんの周りで病院探しをしている方がいたら、この4つのポイントをぜひ伝えてみてください。

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