S&P500やオルカンより「TOPIX一択」

次に、投資対象について考えてみます。私は基本的に日本株のインデックスだけで運用していれば問題ないと考えています。ただ、最近はアメリカ株のインデックスである「S&P500」指数に連動した投資信託を買う人が多いそうです。

また、世界の株式全体を指数化したMSCI世界株式指数に連動するいわゆる「オルカン(オールカントリー)」を買う人が増えているという報道があります。

上念司『経済学で読み解く 正しい投資、アブない投資』(扶桑社)

どのようなインデックスを買うかはその人の自由ですが、私はあまりこれらをお勧めしません。お金に余裕があって投資を分散したい人ならいいですが、そもそも毎月最低投資単位の2万円ぐらいを積み立てるのが精いっぱいという人もいるでしょう。なにか1つしか買えないという条件の下であれば、私なら日本株のインデックス、TOPIX一択かなと思っています。

日本株の投資信託の場合、そこで取っているリスクは株式の株価変動リスクだけです。これに対して外国株の投資信託の場合、株式の価格変動リスクに加えて、為替の変動リスクも取らなければいけません。もちろん、この為替の変動リスクをヘッジすることは可能です。ヘッジありの商品もありますから。しかし、そのヘッジにはコストがかかります。

わざわざ為替の変動リスクを取ったり、それをヘッジするためのコストを払ったりしなくても、日本株で運用すれば価格変動リスクによってインフレリスクを相殺できるわけですから、それでいいのではないでしょうか?

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