特定企業の株価が暴落しても影響は小さい
また、ある企業が不祥事等で株価を下げても、不祥事がなかったライバル企業の株価が上がるため、その分が相殺されて指数にはあまり影響がないなんてこともあります。
2024年3月に小林製薬が紅麴サプリによる健康被害を起こしました。3月26日に株価は暴落しましたが、ライバル会社である花王とライオンの値動きは図表1のようになっています。
小林製薬が暴落したにもかかわらず、ライバル2社は株価を維持し、花王に至っては4月に入ってから値を上げています。このように指数の持つ平均の効果でリスクを分散することができるというのがインデックス投資の大きな利点です。
では具体的にどのような商品を買ったらいいでしょう。一例を挙げます。TOPIXに連動した投資信託の中で最も時価総額の大きいのは「三菱UFJ-eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」(eMAXIS)です。時価総額が大きいということは要するにみんなこれを買っているということになります。
気になるこの投資信託の値段ですが、2024年4月8日現在、基準価格2万734円となっています。意外と安くないですか? たった2万円程度で約2200銘柄をすべて買っているのと同じ状態なんですから。
手数料が高い商品には要注意
次に、購入する商品について考えてみましょう。先ほどは日本株のインデックスファンドの中で最も時価総額の大きい「eMAXIS」をご紹介しました。日本株のインデックスファンドはほかにもいくつかありますので。そちらでも構いません。
ただ、気をつけなければいけないのは手数料です。たいていの投資信託は手数料が高く。利回りがそれで食われやすくなってしまうというのが問題です。
先ほど紹介したeMAXISは売買手数料が無料です。毎年かかる信託報酬は0.143%以内、信託財産留保額もナシという優れものです。というか、インデックスに連動した投資信託の場合、むしろこれが普通です。eMAXISを基準としてほかの投資信託を比較してください。