「それでも怒らない」のが賢明  

頭に来ても無礼者と闘わない――「怒ったら、自分の負け」と心得る

人の悪口をいったり、バカにしたり、ちょっとしたミスをあげつらったり。失礼な物いいをされると、腹が立つものです。

どうしてそんなふうに貶められなくてはいけないのかと、自尊心も傷つけられます。あまりに理不尽だと、文句の一つもいいたくなるし、さらに口論、ケンカに発展する場合もあるでしょう。

それでも怒ってはいけません。難しいけれど「受け流す」のが賢明です。

理由は二つ。一つは、非礼・無礼を働く本人は、だいたいにおいてその自覚がない、つまり自分が非礼・無礼な振る舞いをしているとは思っていないからです。そんな人と同じ土俵で争っても、こちらが疲れるだけ。相手にすることはありません。

もう一つは、相手の指摘が正しいことがままあるからです。とくに劣等感や弱みを抱えている人は、痛いところを突かれると、瞬間的に怒りの感情が噴出します。

そんなときはなんとか怒りをこらえて、しばし深呼吸。「彼(彼女)のいうとおり、図星だな。怒りは吞み込み、今後の反省材料にしよう」と、気持ちを切り替えましょう。

いずれにせよ、非礼・無礼に対しては「怒ったら負け」と心得てください。

写真=iStock.com/Bulat Silvia
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“異質なもの”が、あなたの視野を広げてくれる

人との「違い」をおもしろがる――「そんな考え方もあるんだな」

いままで行ったことのない土地を旅行すると、さまざまな発見があります。

「こんな風習が何百年も伝えられてきたのか」「この食材にこんな食べ方があったのか」「同じ言葉でも、ここの方言では標準語とまったく逆の意味なのか」「こんな音楽や踊りをいまも楽しんでいるのか」……など、いくら情報量の多い時代とはいえ、実際にそこに身を置いて初めて知ること、経験することはたくさんあります。

そういう“異質なもの”と出合ったとき、あなたは「自分の知っている文化とは違う」「自分の土地ではそんな考え方をしない」などと怒りますか? むしろ「違い」をおもしろがるのではないでしょうか。

人づき合いもそう。世の中には多種多様な人がいます。「ここが違う、あそこも違う」と感じたら、その「違い」を否定するのではなく、おもしろがるほうに気持ちを切り替えてはいかがでしょうか。

出会った人の数だけ、自分には持ち得なかった“視点のストック”ができるはずです。

人づき合いの妙味は、まさに「違い」をおもしろがるところにあるのです。