「きゅうりの千切り」をのせたことで罰金
このように、民間のレストランや公共教育において、さまざまな金銭徴収が始まっている。もっとも、レストランでの話はすでに広く見られることだが、学校での「昼休み有料化」のような徴収はそれほど多くはない。
ただし、地方政府自体も、さまざまな理由をつけて金銭を民衆から吸い取ろうとする動きがある。
2023年6月9日付の「毎日新報」(天津市政府傘下の新聞)が伝えたところによると、「上海米帆餐飲」という食品販売会社が、炒めた料理の上に生のきゅうりの千切りをのせたことで、当局から罰金を科されてしまった。
「冷菜生産販売」の経営許可を得ていなかったのが理由で、食品安全法違反で政府管理部門から5000元(10万円)の罰金を命じられた。
中小企業にとって重い負担
このような食品安全法違反は、「上海米帆餐飲」以外の別の食品関連会社にも頻発しており、処罰が相次いでいる。
筆者が食品関係の法律を調べたところ、たしかに法律では、食品生産の管理について細かい規定が制定されており、冷凍食品、保健食品、生の食品、菓子などいろいろ分類があって、温菜と冷菜も分けられている。
すなわち、生産者が分類項目に応じて関係当局に生産許可を取らなければならないのだ。
法律は守らなければならない。しかし、冷菜生産がメインの会社が冷菜生産の許可を取ればいいだけであって、温菜にきゅうりの千切りが少しくらい入ったからといって、法律違反で処罰されるほどのことではないだろう。
冷菜生産の許可を取るには、冷菜生産の加工設備を揃えなければならず、非常に多くの費用がかかる。こうした資金は中小企業にとって重い負担となる。