1セットにつき1~2元の使用料が発生

基本的な食器はラップで密封され、「消毒済み」のラベルが貼られて食卓に並べられる。これらを使用すると、1セットにつき1~2元の使用料が発生する。

ところが多くの人は、有料であることを知らずに食器を使用してしまう。無料で使用できる食器があるか尋ねても、存在しないと回答されることが多い。

食器が有料の店を避けようとしても、他店でも同様であり、また、面子を保つために文句を言わずに有料の食器を使用する客も多いのだ。

現在は食の安全に対する意識や健康志向が強くなっているため、「消毒済み」の食器が好まれる一因となっている。

また、新型コロナの流行により清潔志向が高まったことも、食器の有料化を容認する素地となったといえるだろう。

中国社会は金銭至上主義になった

しかし法律の面では、食器の有料化には大いに問題がある。

現状のやり方は、中国の法的に以下の三つの点で疑問視されている。

①食器を有料化するならば、同時に、無料提供できるものも用意しなければならない。客には選択する権利があるからだ。
②有料の食器しかない場合、事前に客にそのことを示し、了承のうえでサービスを提供しなくてはならない。
③飲食店にとって、食器を清潔に消毒し、客の健康を守ることは当然のことである。

ここ数年、中国社会は金銭至上主義になり、商売人は少しでも儲けようと、理由をつけて消費者から金を取るのが当たり前になった。

とりわけ、景気が悪化してくると、消費者にしわ寄せが転嫁されることが目立って増える。

中国人民元
写真=iStock.com/Birdlkportfolio
中国社会は金銭至上主義になった(※写真はイメージです)