節約好きの人ほどハマる「まとめ買いの罠」

パターン2 せっかく安くなるのにモッタイナイ

洋服を買いに行くと、レジで必ず言われるのが、「もう1着買うと、合計から10%引きになりますよ」というフレーズ。押しつけがましいのでなく、せっかく安くなるのにもったいないじゃないですかという表情で。

「もう一つ買うと割引になる」
「3品買うと安くなる」
「3000円以上買うと割引クーポンの対象になる」

こうした、「あともう少し買うとトクしますよ、買わないのはモッタイナイですよ」とささやきかけるパターンのいかに多いことだろう。

写真=iStock.com/Worayuth Kamonsuwan
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素直な消費者は、安くなるならそっちの方が得だと考える。そして、本来なら買うつもりがなかったものをわざわざ選び、本来払う以上の金額を支払ってしまう。2着分の代金でよかったところを、3着分買って割引を受けたところで、支払う金額は最初よりも増えてしまうのだが……。

割引のために特に欲しくないのに買ったモノ達は、家にあっても案外困るものだ。洋服ならクローゼットの場所を取るし、食品なら冷蔵庫の奥に追いやられてしまう。どちらもあまり活躍しないうちに、処分の憂き目にあいそうだ。

そもそも、そんなものに払ったお金こそモッタイナイ。

期間限定セールの「ついで買い」も要注意

Amazonや楽天の期間限定セールにも注意したい。SNSには、「こんなに安く買えた!」「割引率が大きいのはこの商品!」といった投稿が飛び交い、まさに“安く買えるのに買わないなんてモッタイナイ祭り”が繰り広げられる。

人間は、他人が得するのを黙って見ていられない性分だ。特に目当ての品がなかったとしても、そんなに安くなっているなら買っておこうと浮き足立つ。そして予定外の出費が重なっていく。

セールを待って前から欲しかったモノを、安く買うのは何も間違っていない。が、割引率やポイント倍増に目を奪われて、ついでにこれもと買い続けていては、翌月・翌々月のカード引き落とし額を見て愕然とすることになるだろう。

パターン3 元を取らないとモッタイナイ

コスパやタイパ、費用対効果が金科玉条のごとく唱えられる世の中だ。中でも払ったお金に対するリターンが釣り合っていないと落ち着かない。そう、「元を取る」ことは、至上命題だ。そうでないと、払ったお金がモッタイナイからだ。

よくあるのは年会費だろう。年会費がかかるクレジットカードは、せっせと使ってその分の元を取らねばいけない。コストコのような会員制スーパーは、年会費を取り返したと満足できるほど買い物を繰り返す。