自転車に限らず、全交通事故も減った

そればかりではない。

全交通事故の総数を比較しても、図表3のとおりで、これまた平成24年から目に見えて減っている。

私の推測では、たとえ視覚的な分離だけと言えど、歩行者と自転車とクルマに、なんとなくの場所指定をすることで、クルマのスピードが落ち、全交通事故が減ったのである。

その結果が、次の図表4だ。

事故の少ない「自転車天国」に

全国20の政令指定都市の自転車分担率(全交通の中でどれだけ自転車を使うか)と自転車事故率を座標図にしたのがこれだ。

京都の位置が、右下に鎮座しているのが分かるだろう。この第4象限にあたる部分は「自転車をたくさん使うのに、自転車事故は少ない」という最も優秀な状態を表している。岡山市、広島市、熊本市も優秀なのだが、中でも突出して京都市がスゴいことが分かっていただけると思う。

つまり、この約10年の中で、京都という街は日本で一番「自転車が最も頻繁かつ安全に使われている大都市」という称号を手にしたのである。

私はもっと京都市は自慢してもいいと思う。

自転車事故が減った! という形の自慢でもいいんだが、それより市が手がけたものが、目に見えて成功した! という自慢でいいと思う。

ある政策を手がけた→その結果を得た→その結果は、明らかに市民の幸福に繋がるものだった。

これ以上の「実績」があるだろうか。

筆者撮影
自転車ピクトグラムに従って道路を走行する自転車